最近の服3

エッセイ

 最近結婚したので指輪をつけている。指輪なんて大学生のころ、ちょっとつけてみたいと思って適当なものを買って以来つけていなかった。インディアンジュエリーとか憧れたりしたけど、貴金属までお金が回らなかったが正直なところ。今もお金は回ってない。

 せっかく結婚するからいいもの買いたいと探し回ったが、これが結構大変だった。2人とも「このブランドのが欲しい!」とか「こういうデザインがいい!」とか、そういった具体的な要望がなかったのが悪かった。とりあえず見に行こうと銀座に行き、「ローラー作戦だ!」と手当たり次第にお店を回った。多分1日で8店舗くらい行ったと思う。が、大体シンプルなものがいいとなると、デザインに大きく差がないので決め手に欠ける。でも、ここではないみたいなものは何となくわかる。それの繰り返し。じっくり店員さんの接客を受けることもあったが、担当の方の対応がいまいち僕らのテンションと嚙み合わなかったりすると購買欲が下がっていく。そのブランドのものが悪いわけでもなかったのだが、モノ自体に惹かれていないと人の印象にも引っ張られてしまうと改めて思い知った。このローラー作戦を行った日は疲れ果ててしまって、偶然見つけた「矢場とん」に入ってたらふく味噌カツを食べた。疲れた体に染みわたって泣けた。

 そんなこんなを経て見つけたのが「Source Objects」のもの。表面のハンマリング加工で凸凹していて、使っていくと経年変化でツルツルになっていくそう。毎日つけるものなので、そういった楽しみがあるのも嬉しい。少しのこだわりだけど内側にはダイヤモンドを仕込んでいて、ちょっとしたお守りみたいに思っている。注文した日、デザイナーさん直々に接客してもらったのだが、俳優の眞島秀和さんのような落ち着いた塩顔の男性でまあかっこよかった。ちょっと低めのトーンでゆっくりしゃべる大人、ああいう大人がなんだかんだエロいと思う。

エッセイ
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服と僕

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